「霊場」とは、神仏の霊験あらたかな場所の総称。みなさんがすぐに思い浮かべる有名な霊場といえば、「四国88ヶ所霊場」あたりではないでしょうか。このように、名前に「霊場」とつく場所はお遍路巡りのスポットとして有名なことが多いのですが、なかでも弘法大師が開いた88ヶ所の寺(札所となる霊場)を巡拝して回る「四国巡礼」は特に人気の霊場といえるでしょう。
ところで霊能者と縁が深く有名な霊場といえば、やはり“三大霊山”とよばれる恐山、比叡山、高野山。これらは山岳信仰に基づいた「霊場」であり、神仏や信仰と関係の深い特別な空間として認知されています。山々に囲まれたこの地には清浄な霊気が満ち、読経や瞑想といった修行をするのに最適な環境が整っていることから、三大霊山で修業を行なう霊能者は大勢います。
恐山は、言わずもがなイタコの聖地。年に1度ずつ開催される「恐山大祭」と「恐山秋詣り」には、青森県内各地からイタコが一堂に会し、霊を呼び出す降霊の儀式(口寄せ)が行なわれています。つまり、恐山も含めて「霊場」というものは、あの世とこの世をつなぐ霊的空間だと言い変えることができるのです。
霊場は、通常の人間にとって本来は異空間とでもいえる場所ですが、俗世間から隔絶された霊場には、神仏の“気”とでもいうべきものが満ちています。
それゆえに霊場で修業を行なう霊能者は非常に多いのですが、それはやはり“神仏との出逢いを果たすため”といえるでしょう。霊験あらたかな場所であればあるほど、神仏とのより強固な結びつきが期待できます。霊場で神仏の発する霊力を浴び、導きを得ることにより、さらなる霊的開眼がもたらされ、爆発的なまでの霊能力が与えられるのです。言い換えれば、霊場修業を経ることによって、霊能者の持つ霊能力は数十倍にも数百倍にも増幅されるということです。
別の角度から見ると、霊場は霊が救いを求めて集まる場所でもあります。そのような霊との対話を試みることは霊能力鑑定や供養の実践にもなり、霊性を高めることにつながります。だからこそ、霊場で修業をした霊能者は驚異的に霊能力を伸ばすことができるのだといえるでしょう。霊能者はこのような環境にある霊場で、修業しない手はないのです。
電話占い依代に在籍する霊能者にも、恐山や高野山などの有名な霊場で修業を経た後にプロデビューを果たした者が大勢います。
自分という煩悩から離れ、神仏に帰依することができるのは、霊場の高貴な霊気で心身が満たされるからにほかなりません。罪を悔いて一心に祈ることにより罪業を祓い、邪気を洗い流すことができると考えられているのです。霊場を訪れるということは、「己を捨てる」ということにつながります。俗世間にまみれた“自我”を一時でも捨てることで、神仏に近づくことができるのです。
「霊場で穢れを滅し、新たな魂として甦る」
これこそが、「信仰に寄り添う」ということであり、霊場が霊場たるゆえん。霊場は、霊能者にとっても異空間であり、奇跡の起こる場所なのです。
霊能者は霊場で修業する際は余分な感情を一切排除するため、そこには祈りと神への感謝しかありません。一心不乱に祈ることで、滅罪と許しを得ることができるのです。霊能者のなかには、一段階上の新たな魂に生まれ変わった自分を感じとって神への感謝の言葉を口にし、歓喜の涙を流す者さえいるといいます。
ずば抜けてすぐれた霊能力を手にした今でも、定期的に霊場を訪れて修業を行なう霊能者がいるといいますから、霊能者の心を捉えて離さない魅力といったものが、霊場にはあるのでしょう。